パンプスに隠した黒い爪(2018年4月分再掲)

 

完徹だから、寝て起きたら社会人という人生とはわたしは無縁だった。

 

 

自我と個性は葬られて、わたしの金髪は焼いて焦がして黒髪にした。

 

喪に服するためにリクルートスーツを着用した。

 

足の爪まで喪に服してやることにした。

 

 

社会は知らない。

 

ふわふわだった前髪をワックスで固めて、第1ボタンの襟を留め、数ミリも伸びていない爪のわたしが

 

 

 

真っ黒な足の爪をして、数時間前まで歌舞伎町を彷徨って