オタクはいつからオタクなの?下書き掲載

 

 

幼稚園の頃、父親は月に一度泊まりに来ていた。普通の家には毎日父親がいて、うちは普通ではない、とは教えられなかったが、父親は憎むべき存在であるとは教えられたと思う。だからか、父親は我が家ではハゲと呼ばれていた。父親は母のことを母の乗っていた車の名前で呼んでいた。

父親を嫌う理由は暴力であると教えられたし、現にたまに来る父親は癇癪持ちで、都合の悪いことがあると暴力に訴えた。だけど私にはそれは母親の予定調和のように見えた。「この人は暴力を振るう人だから」「ほらね、振るったでしょう」というような。

 

家庭環境に関して特に不服を感じたことはないし、むしろ私には父親以上に父親らしい人がいる。叔父だ。叔父は社長だった。だけど暇そうだった。土日はいつもデパートやらご飯やらに連れてってくれたし、旅行に連れてってくれたこともある。ただ、水曜日だけは背広を着て仕事をしていた。小さい頃に連れてってくれた旅行に、真夏なのに背広を着てきた叔父を見て「あっ、仕事してるんだ」と驚いた記憶がある。

おもちゃもたくさん買ってもらった。叔父の家にある鉄板でよくご飯を作ってもらうこともあった。何を言

そんな叔父の部屋(正確には祖母の家)には飽きるほど漫画が