探した至極な幸福は虚無の世界だった
さて、今日はなんの日だか知っていますか?
『TSUKIPRO THE ANIMATION』3話目の放映日です。
tokyomxで22:30からなんですけど、何がそんなに楽しみって、QUELLの担当回だからなんですよね。
わたしはQUELLのリーダー、和泉柊羽がすきなんですけど、彼はまだそこまで人気がありません。缶バッジ5個と特典のシールとメッセージカードで900円とかで譲ってもらえるような男です。
こんっっっッッッッなにかっこいいのに
まあ、人気がキャラの価値っていうわけではないんですけど、なぜわたしが彼が人気ないことを主張したかというと、あと3時間後、それが覆るという確証が持てているからです。
先行上映会に参加して、担当回で初披露となるはずのQUELL仕様のオープニングムービーを一足早く見て来て、思いました。
大画面で舞う柊羽は、QUELLは、とても美しくって。ナイトアクアリウム性交渉、という感じでした。
暗い海底に潜む彼らは海藻っちゃ海藻だし、イルカと言えばイルカ。決して人魚ではない。
でも、彼ら自身が暗澹としているわけではないし、かといってよくいうアイドルみたいにキラキラきらめいているわけでもない。ステージの主人公なのだけれども、主人公だからこそ持つ、主人公たる煌めきというのは彼らには少し程遠い。
彼らは別にそういうものを求めてステージに立っているわけではないんです。ただ、そこに存在している。それだけなんです。なにも特別じゃない。
もちろん格別美しい人たちだけれど、そういう話をしているんじゃなくて。
美醜だとか、貴賤だとか、生まれだとか、育ちだとか、そういったものからくる圧倒的なオーラでその場にいるのではじゃないんです。
特別なことは何一つない、だけど特別を見つけてしまった、それを見せつけるでもないが、ただ歌っているだけです。
この日記のタイトルは、柊羽がQUELLの発足とともに書き下ろした歌詞の一部です。
誰もが知る国民的アイドルグループの一人、見た目も人柄もいい彼が22年生きてたどり着いた(たどり着いた、というとそこで終わってしまう感じがするが)答えが「探した至極な幸福は虚無の世界だった」です。
富、名声、願望、肉欲、格差。
生きようともがき、大成するとつきまとうそれらを幸福とせずに、なおも普遍的な安寧を求めた柊羽が行き着いた答え。
かッッッッこよくないですか?
しかもこれ、柊羽一人で歌うんじゃなかって、グループの半分中卒ですんですけど?!中卒の男の子がスマホでググったり教えてもらったりして当たり前のように刷り込まれる歌ですけど?!
あっ、別に中卒をバカにしたいんじゃなくて、中学を出て、働いて、そこで両親の不在や貧しさから虐げられて柊羽のもとに行き着いた、言ってみれば人生経験は豊富とは言えない若さでありながら人間社会の醜さにはある程度行き着いてしまっている美少年たちが、
普通だったら高校で「三角関数〜サインコサインタンジェント〜」「ケッペンの気候区分wwwwww」とか言ってる間に学ぶ定理が「探した至極な幸福は虚無の世界だった」ですよッッッッ
あともう一人はADやってた青年です。要領よく生きてきて、ADやりたくてADやったはずなのに新米のペーぺー期にADを辞職、アイドルデビューという、実は一番訳のわからん男です。
柊羽と、その例の中卒の男の子たちを優しく見守っている、ホンマに何を考えているのかわからない神のような男です。
私は、酒はまあそんなにすきじゃないけど、酒を飲んではテキトーに男の子に擦り寄って見たり、煙草を吸ってはテキトーに男の子の肌に擦り付けて見たり、ラーメンを食っては白米まで平らげ、貯蓄はできず、プライドは高く、見栄で学歴やステータスを着飾って、「アッハッハあたしカワイ〜!顔ちっせェ〜!強欲のままを尽くして生きたいるのになにも失わねえ〜!無敵!」みたいな人生を送って来ました。
酒癖、煙草癖、男癖、金癖、全て悪いと言っても過言ではないでしょう。
そしてそんな日々の中で、私は柊羽の真理に辿り着いてしまった。
「探した至極な幸福は虚無の世界だった」
虚無と虚無の先に、私と柊羽は出会ってしまった。
出会いたくないですか?
金も男も富も美も名声も意味をなさない、そんな世界に
というわけで、ツキプロジアニメーションを見ましょう。
オタクからは以上です。